徳島県三好市山城町の山深くに静かに佇む賢見神社(けんみじんじゃ)。
その名を耳にしたことがある人も多いものの、訪れたことがある人は決して多くありません。
全国にただ一社のみ存在する特別な社名を持ち、昔から密かに信仰を集めてきた神社です。
便利とは言えない山道の奥にあり、普通の観光地のように気軽に立ち寄れる場所ではありません。
それでも、駐車場には遠方のナンバーの車が並ぶこともあります。
私の周りには、賢見神社へ行こうと思いながらも「何度かチャレンジしたけれど縁がなかった」「たどり着けなかった」という方がいました。そんな声を聞いていたので、実際に車で向かい、鳥居の前に立てた時、思わずほっと息が漏れるような、不思議な安堵感がありました。参拝前でありながら、**“来られただけで意味がある場所なのだ”**と自然に思えたのです。
賢見神社は、素戔嗚尊(すさのおのみこと)と応神天皇を御祭神とする古社で、犬神や憑き物落とし、心の病の癒しに霊験がある神社として知られています。精神的な悩みを抱えた方が静かに訪れる場所としても語られてきました。特に耳に残るのは、他では聞いたことのない独特の祝詞(のりと)。
その声は深く響き、神域全体の空気を引き締めていくような力を感じます。
そして、この神社の特長のひとつが奥社への参拝方法。多くの神社では奥社は本殿より「さらに山を登った先」にありますが、賢見神社は逆で、谷へと降りていきます。下りの道を歩いていくと、まるで自分自身の内側へ深く潜っていくような感覚に包まれます。谷に鎮座する奥社は、周囲の静けさと緊張感のある空気に抱かれ、他では味わえない独特の雰囲気があります。
奥社の近くには滝行の場もあり、心と身体を清めるために挑戦する人もいるそうです。寒さや水の厳しさだけではなく、自身と向き合う時間として意味を持つ体験なのでしょう。
山城町の紅葉も終盤。冷たい空気と色づいた山の景色が、神社全体の気配をいっそう際立たせています。
もし今、胸の中に言葉にならない迷いや重さを抱えているなら・・。賢見神社への道を一度、選んでみませんか。たどり着くだけで、きっと少し心が軽くなる。そんな場所です。
by てらちゃん
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