転職相談に乗る中で、「自分にどんな仕事が向いているのかが分からないんです・・。」という相談を受けることが時々あります。
多くの人は「向いている仕事=自分の能力に合った仕事」と考えると思うのですが、キャリア理論ではもう少し広い視点で考えられているようです。
その代表的な理論の一つが、
アメリカのキャリア心理学者 Donald E. Super が提唱した
「職業的適合性(Vocational Fit)」という考え方。
Superによると、職業選択とは単に「能力」や「スキル」だけで決めるものではないようです。
「自分という人間」と「仕事の環境」がどれだけ合っているかが重要だと言うのです。
例えば、同じ営業の仕事でも、
「成果を競う環境で頑張りたい人」
「チームで協力して進める方が安心できる人」
では、合う職場はまったく違ってきます。
つまり、
「どの仕事が良いか」ではなく、
「どの環境なら自分らしく働けるか」がポイントになるようです。
Superは、人のキャリアを「自己概念(Self-Concept)」の表現だとも説明しています。
自己概念とは、簡単に言えば「自分はこういう人間」という自分なりの理解のことです。
例えば、
・人を支えることに喜びを感じる人
・新しいことに挑戦するのが好きな人
・安定した環境でコツコツ取り組みたい人
それぞれの自己概念が違えば、当然ながら適した職業も変わりますよね?
そのため、キャリアを考えるときに次のような視点が重要になります。
① 自分はどんな価値観を持っているのか?
② どんな働き方が心地よいのか?
③ どんな環境で力を発揮できるのか?
つまり、職業選択は「仕事探し」というよりも、「自分らしさを表現できる場所探し」とも言えます。
実際、転職相談に乗っていると、「人気の仕事」や「安定していそうな仕事」を基準に職業を選ぼうとする人が多いように感じます。
でも、もし環境が自分に合っていなければ、どんなに条件が良くても長く続かないケースもあります。
だからこそ大切なのは、
「どんな仕事があるか?」よりも、「自分はどんな人間か?」を知ることです。
Superの理論は、そんなシンプルだけれど大切なことを教えてくれています。
キャリアとは、単に職業を選ぶことではなく、「自分らしく生きる形」を、仕事を通して見つけていくプロセスだと言えます。
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