皆さんは愛媛県の一ノ宮である大山祇神社をご存じでしょうか。
私は神社巡りを趣味としており、いつか全国の一ノ宮を参拝したいと思っています。現在は近県の一ノ宮を一通り巡ることができました。その中でも、四国で最も参拝のハードルが高いと感じていたのが大山祇神社です。
理由はいくつかあります。
まず、「大山祇」と書いて「おおやまづみ」と読みます。漢字と読み方のギャップが大きく、なかなか覚えられませんでした。さらに御祭神である大山積大神(おおやまづみのおおかみ)も、大国主命や大物主命と名前が似て見えてしまい、神社や神様に興味のない方ならなおさら覚えにくいのではないでしょうか。
そしてもう一つの理由は場所です。
しまなみ海道の大三島に鎮座しているため、気軽に立ち寄れる場所ではありません。四国各県の一ノ宮を巡る中でも、個人的には最も訪れるハードルが高い神社でした。
しかし、実際に調べていくうちに、この神社の魅力は御祭神そのものにあることを知りました。大山祇神社は、日本建国の祖神ともいわれる大山積大神をお祀りしています。そして全国に約一万社ある大山積神を祀る神社の総本社でもあります。大山積大神は山の神様として知られ、天照大御神の兄神とも伝えられています。
私は以前から「山の神様なのに、なぜ海に囲まれた島に総本社があるのだろう」と不思議に思っていました。しかし、その疑問はあることを知った時に解決しました。
豊かな海は豊かな山によって支えられているということです。山に降った雨は川となり海へ流れます。その過程で、落ち葉や木々から生まれた栄養分も一緒に海へ運ばれます。そして、その栄養を餌としてプランクトンが育ち、小魚が集まり、さらに大きな魚が育っていきます。
私たちは海の幸を見て「海が豊かだ」と感じます。しかし、その豊かさの源をたどっていくと、実は山に行き着くのです。海だけを見ていては分からなかったことですが、山と海は切り離された存在ではなく、深くつながっています。
このことを知った時、「なるほど、だから大山積大神がこの地で信仰されているのか」と妙に納得したことを覚えています。私たちが日々いただいている魚介類も、もとをたどれば山の恵みによって育まれたものです。大山祇神社は、単なる山の神様を祀る神社ではありません。山と海、そして自然のつながりや循環の大切さを教えてくれる神社でもあります。
もし、しまなみ海道を訪れる機会があれば、ぜひ足を運んでみてください。きっと参拝後には、山や海を見る目が少し変わっているかもしれません。
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