インタビュー

フランスから日本へ~国際協力の道を選んだ理由~


特定非営利活動法人 AMDA社会開発機構(アムダマインズ)

Bobin Laurelineさん

2026年7月1日(水)

今回お話を伺ったのは、私が約4年半勤務していた特定非営利活動法人 AMDA社会開発機構(アムダマインズ)に、新たにスタッフとして働き始めたフランス出身の方です。アムダマインズにお伺いした際に、「フランスの方がなぜ日本で国際協力の仕事を?」とどうしても話をお聞きしたくなり、色々と質問してみました!

特定非営利活動法人AMDA社会開発機構(アムダマインズ、AMDA-MINDS)は、人づくり村づくりを通じ、世界の貧困地域において暮らしの改善に取り組んでいる認定NPO法人です。現在、ミャンマー、ネパール、インドネシア、マダガスカル、シエラレオネ、ホンジュラス、ドミニカ共和国において、保健、農業、教育、生計向上などSDGs達成に向けた社会開発プロジェクトに携わっています。

■日本にはいつ来られたのですか?

日本に来て約3年になります。最初は島根県にワーキングホリデーで日本文化を学び、その後は京都で風呂敷メーカーで働きました。そして、今、ここで働いています。


■日本語がかなり上手ですね!日本に来られる前から勉強されていたのですか?

高校生の頃から日本語に興味を持って、日本語の勉強を始めたんです。そして、大学はSciences Po Saint Germain en Laye(政治専門大学)に入学したのですが、日本語の授業が無かったので1年生の時に、友達と一緒に大学にお願いして日本語の授業を作ってもらいました!大学3年生の時には法正大学に留学しました。ただ、大学での授業は漢字・文法・会話で初級コースでした。哲学、国際関係、日本のメディア、ジェンダーと人種などの授業もあったのですが、英語での授業だったので、英語力を上げるために英語の勉強に勤しみました。フランスに帰国してからは、国際協力分野の大学院を卒業した後、フランス国立東洋言語文化大学(INALCO)で、さらに2年間、日本語を専門的に学びました。全部で7年間程勉強して、その間に⽇本語をしっかり⾝につけました!

■それで、日本語がとっても上手なんですね!ちなみに、京都の風呂敷メーカーさんではどのようなお仕事をされていましたか?

風呂敷メーカーでは海外営業を担当していました。海外に住む日本人や外国のお客様へ商品を提案する仕事です。とても楽しかったですよ!その仕事を通して、日本文化の魅力をより深く感じました。風呂敷は何度でも使えるため環境にも優しく、1300年以上の歴史があります。また、贈る人の気持ちや相手への気遣いを伝えられるところも魅力です。その魅力を海外に広めようと努力していましたが、オンラインだけでは限界があるため、実際にフランス、イギリス、ドイツ、スイスへ出張し、展示会への出展や風呂敷体験イベントの開催、既存のお客様への訪問に加え、新規のお客様への営業も行っていました。


■ヨーロッパにも行けて営業のお仕事は楽しそうですね!なぜ転職されたのですか?

世界情勢が大きく動く中で、「ニュースを見ているだけではなく、自分も世界の平和に貢献したい」という思いが改めて強くなっていました。その時、29歳だったんですが「これからのキャリアを本気で考えよう」と思ったことも大きかったですね。それまではNPOなど、国際協力に関わる活動をフランスでもしてきました。やはり自分が本当にやりたい道へ進みたいと思ったからです。

■なるほどですね!そもそも国際協力の仕事をしたいという想いが強かったんですね!ただ、国際協力の仕事は東京が多いのですが、なぜ岡山にあるアムダを選んだのですか?

最初に島根でワーホリを利用して暮らしてみたこともあって、地方の生活がとても好きになったんです!また、島根に友達もできたので、岡山だったら近いですしね。できれば地方で暮らしたいと思いながらJICA PARTNERで仕事を探していたらアムダマインズを見つけました。

アムダマインズは教育分野とか保健分野だけという風に一つの分野に特化していないので、幅広く学びながら活動できることに魅力を感じました。例えば農業の課題は栄養にもつながりますし、健康とも深く関わっています。一つの分野だけではなく、様々な分野が繋がっていることを理解した上で支援する方が、より良い国際協力ができると思ったのです。


■実際に働いてみてどうですか?

毎日とても楽しいです!世界ではなぜ今の状況が起きているのか?どうすればより良い方向へ変えていけるのか?そうしたことを考えながら仕事ができることに、大きなやりがいを感じています。人間同士の助け合いや国際協力という同じ目標を共有する人々と一緒に仕事ができるのは、とても嬉しいことです。

 

■今後はマダガスカルを担当されるそうですね。

はい。今年の10月頃には初めて出張でマダガスカルへ行く予定です。今からとても楽しみにしています。私はフランス出身なので、フランス語を活かせることも大きな強みになると思っています。現地の人々と信頼関係を築くには、やはり現地で使われている言語が役立ちます。日本で長年日本語を学び、日本で働いてきた経験もあります。だからこそ、日本とフランス語圏の国をつなぐ架け橋として、自分にしかできない役割があると感じています。

■最後に、日本で働き続けたいと思う理由を教えてください。

もちろん家族に会いたい気持ちはあります。でも、日本で働くことで、自分ならではの価値が作れていると思います。もしフランスで国際協力の仕事をしたとしたら、日本語は必要無くなってしまいます・・。でも、日本ではフランス語と日本語の両方を活かしながら仕事ができます。これまで何年もかけて学んできた日本語が、本当に役立っていると実感できますし、日本と世界をつなぐ仕事ができることに大きなやりがいを感じています。だから、これからも日本で国際協力に携わりながら、少しでも世界の平和に貢献していきたいと思っています。

文責:飯原美保