愛媛県久万高原町にある四国八十八ヶ所霊場第四十五番札所の岩屋寺。
四国遍路の札所の中でも特に険しい場所として知られ、「遍路転がし」と呼ばれる難所の一つです。岩屋寺は山深い場所にあり、車で訪れるだけでもなかなか大変ですが、本当の試練は駐車場に着いてから始まります。本堂まで続く参道には急な坂道や石段が続き、霊場の中でもトップクラスの厳しさと言われています。歩き遍路をしていなくても、その苦労を少し体験させてもらったような気持ちになるほどです。
息を切らしながら進み、ようやく本堂へたどり着くと、ふと見上げた先に巨大な岩壁がそびえ立っています。まさに岩屋寺という名前の由来そのもの。その迫力と存在感は圧倒的で、自然の力強さに思わず見入ってしまいます。
岩屋寺の御本尊は不動明王ですが、本堂横にある巨大な岩そのものも御神体として崇められています。その姿を目の当たりにすると、古くから人々がこの場所を特別な聖地として敬ってきた理由がよく分かります。
さらに本堂の横には、高さ約五メートルほどの梯子があります。これを登ると本堂の屋根ほどの高さに達し、岩の窪みへ進むことができます。
高所が苦手な私にとってはかなりの恐怖でした。恐る恐る梯子を登っていると、もし足を踏み外したらという不安がよぎります。そんな中で、今こうして健康で生きていられることは決して当たり前ではないのだと改めて感じ、日々の暮らしへの感謝の気持ちが自然と湧いてきました。それもまた、この場所ならではの修行なのかもしれません。
そして、岩屋寺を訪れた際にぜひ体験していただきたいのが「穴禅定(あなぜんじょう)」です。弘法大師が修行したと伝えられる洞窟で、入り口から中へ進むと辺りは真っ暗になります。わずかな明かりを頼りに進む洞窟内は静寂に包まれ、日常とはまったく異なる世界です。
不安と緊張を感じながら進んでいくと、奥には御本尊である不動明王がお祀りされています。その瞬間は何とも言えない神秘的な空気に包まれ、心が洗われるような感覚を味わえます。
実は、この穴禅定の存在を知らずに参拝を終えて帰ってしまう方も少なくありません。
しかし、岩屋寺を訪れたならぜひ体験していただきたい場所です。私自身、梯子は正直もう二度と登りたくないと思うほど怖かったのですが、穴禅定で感じた神秘的な空間と特別な時間は今でも強く印象に残っています。
険しい道のりだからこそ得られる達成感。そして自然と信仰が織りなす圧倒的な存在感。岩屋寺はまさに「苦労してでも訪れる価値のある」四国屈指のパワースポットだと感じています。
もし訪れる機会があれば、本堂への参拝だけでなく、ぜひ穴禅定まで足を運び、その神秘的な世界を体感してみてください。
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