「実は、近所のカフェに応募したんです・・。」という言葉を聞き、びっくりした。声の主は、新卒で就職したものの数か月で退職した方。彼女は 高校時代からエクステリアデザインに興味を持ち、独学でイラストを学び、大学もエクステリアを専攻し、生粋のデザイン好きだった。
彼女のポートフォリオを見せてもらった瞬間、私は思わず「うおお…!」と心の中で叫んだ。(※口に出すと驚かせてしまうので自粛。)そこには、美しいウッドデッキやガーデン、建物のデザインなど、とっても温かみがありステキなデザインが詰め込まれていた。彼女はすばらしい才能の持ち主だと思った。
にもかかわらず、転職活動では不採用が何度か続いたらしい。焦りもあったのか、「お金の心配もあるので、早く仕事を決めないとと思って。正社員だけじゃなくて、パートやアルバイトでもいいかなと・・・。それで、近所のカフェに応募しました!」とのことだった。
彼女の言葉が胸にひっかかり、率直に伝えてみた。
「焦る気持ちはすごく分かります。でも、長期的な視野で考えることが重要だと思うんです。カフェの仕事は採用してもらえたとしても、果たして〇〇さんがしたかった仕事と繋がるかと言えば、違うと思うんです・・。もう一度考え直してみるのは難しいですか?」と。
今、転職市場は、売り手市場と言われながらも専門職に関してはかなりシビア。一度カフェのアルバイトに流れてしまうと、次にデザイン系の仕事にチャレンジしようとしたとき、アルバイトの期間はマイナスになることもある。「カフェで接客業務をしていました。」となると、企業側は「本当にデザインの仕事がしたいの?」と疑問を持つ可能性も高い。デザイン系の仕事を目指すなら、どんな形でもいいからデザインに携わる仕事を探した方がいい!
「でも、未経験だからなかなか採用されないんだと思います・・。」との少し弱気な彼女に対して、「大丈夫!企業によっては、未経験から育成するプログラムを持っているケースもあるし、採用基準は企業によって本当に違うんです。〇〇さんのポテンシャルを見てくれる企業もありますから!」と私自身の想いを伝えてみた。
すると、彼女は少し考えてから、「分かりました。カフェでの仕事は考え直してみます・・。」と考えを変えてくれた。それからはスピード勝負。デザインの求人は見つからなかったものの、彼女に合いそうな設計の仕事があったので紹介し、応募書類を作成した。数日後には、一次面接通過の連絡が企業から届いた。企業側も彼女のデザインセンスと熱意を評価し、「ぜひ最終面接をしたい」とのこと。
そして運命の最終面接、「ぜひ採用させて頂きたい!」との連絡があり、すぐに彼女に電話した。彼女の嬉しそうな声を聴いて、私まで涙が出て来た。あの時、焦ってカフェの仕事に就いていたら、この結果はなかったかもしれない。 デザインの道を諦めなかったからこそ、彼女の人生は大きく変わった!夢に向かって再スタートを切った彼女のこれからが、ますます楽しみだ!(´ω`)
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