仕事・生き方に効く本

転職に不可欠な「自分マーケティング」


2025年2月27日(木)

転職支援の仕事をしていると、いつも思うことがある。それは、「人の強みって、本人が一番気づいていない。」ということ。


先日も、技術職の仕事をされている方の転職相談に乗っていた。40代半ばの男性で、技術職として10年以上のキャリアを持つが、転職活動に苦戦しているという。理由を聞くと、年齢で弾かれるんです・・とのこと。そして、「この業界での仕事は長いですが、特別なスキルなんてありません・・。」とのことだった。


でも、「これまでどんな仕事をしてきましたか?」と彼の話をじっくり聞いた所、掘り下げていくと、Macでのデザイン加工や溶接やシート作成、施工まで川上から川下までの業務を全てこなされている。技術職の方が2名しかいない職場ということもあり、1人でほぼ全ての工程を担われているとのことだった。

 

こんな風に、求職者の話を深掘りしていくと、本人が「当たり前」と思っていることの中にこそ、強みが隠れていることが多い。

でも、問題はそれをどう言語化するか。「強みの発掘」と「言語化」は、転職支援の中でも特に難しいと感じる。というのも、求職者がどこまで自分の経験を話してくれるか? 私がどれだけその話を引き出し、整理し、適切な言葉にできるか? さらには、その人の専門分野をどこまで理解できるか?など、いくつもの要素が絡み合い、一筋縄ではいかないから。

「転職支援というこの仕事は、なかなか奥が深いな・・・。ほんと難しい・・。」と感じていたら、書店でこの本に出会った。タイトルは「自分マーケティング」。

買って読んでいるうちに、転職活動も自己マーケティングだなあと思った。というのも、求職者は「自分」という商品を企業に売り込むことで採用に繋がるから。

 

読み進める内に、転職支援とは、ただ求人を紹介するだけではない。「その人が持っている価値を、どう最大限に伝えるか?」ということに気づかされた。そして、それこそが私の役割なのだと。求職者自身が気づいていない強みを見つけ出し、言葉にして伝える。それができて、求職者が自らの強みに気づけた時、履歴書も職務経歴書も大きく変わる。そして、自らの強みに気づけた人の方が転職に成功する確率も高い。

この本を読み進めていって、毎日のように転職相談に乗っている方々の強みの発掘、そして、その言語化をもっともっとしていければと思っている。