-まずは、訪問介護のお仕事について教えてください。
介護が必要な人が、その人の持っている力を使って自立した生活ができるようにサポートするのが僕らの仕事ですね。具体的に言うと、掃除・洗濯・調理といった生活援助、そして、トイレやお風呂、食事の介助などの身体介助をやってます。
-介護というとおむつ交換などがあって、大変そうというイメージがありますが・・。
介護の仕事そのものは大変じゃないかな。掃除や洗濯、料理など普段の生活のお手伝いがほとんどですからね。
-えっ、そうなんですか?!
(インタビュアーである私に向かって)将来結婚して赤ちゃんが出来て、おむつの交換を変える時って大変だなって思いますか?
-いえ、思わないですね!
そうですよね。それを他人にしているだけなんですよ。ただ、他人やから気は遣いますけどね(笑)
-なるほど、そうなんですね。ちなみに、この仕事をする前も訪問介護の仕事をやってらっしゃったのですか?
いいえ!最初はアパレルの仕事をしてました。婦人服の販売をしてたんです。それから介護業界で働くようになって、5年前にイイカイゴヘルパーセンターを設立したんです。
-えっ、アパレルですか(驚)?介護とは全然関係ない職種ですよね!?
そうですね(笑)
-どうして、アパレルから介護の道に方向転換したんですか?
う~ん。服が好きすぎて辞めたと言えばいいのかな・・・(笑)。僕は洋服が大好きで、給料の大半を服に投入してたんです。貯金が底をつく程までに・・・(苦笑)。それで、将来が見えなくなってきたんですよね。それで、『仕事』と考えた時に、資格が無くても始められて、ステップアップができる介護の仕事に関心を持ったんですよ。その頃、ちょうど介護にスポットが当てられ始めた時だったんですよね。
ただ、最初のころは、できるのかな・・って不安でしたね。
-どうしてですか?
僕は汚いのが嫌いだったんですよ。排泄のお手伝いに抵抗があったんです。なので、5年間はガマンして、ケアマネージャーの資格を取ろうって思ってました(苦笑)。ケアマネージャーになると、依頼先の必要事項を聞いて介護の計画を立てることをするので、実際に介護をすることはないんです。
-そうだったんですね。では、なぜ、訪問介護の仕事を今もされているんですか?
僕は、訪問介護もデイサービスも施設もケアマネージャーも全て経験したんですけど、ご利用者様とのやり取りが面白かったんですよね。ご利用者様と触れ合うことが本当に楽しかった!毎日行ったら、毎日様子が違っててね・・。何とかご利用者様の役に立ちたいと思うようになったんです。
-様々な介護の形を経験した中で、どうして訪問介護だったんですか?
なるべく家にいて欲しいと思うからです。やっぱり、生活の根底は家だと思うからです。その家で暮らせるようなサポートがしたかったんです。寝たきりの方でも家にいることを選択肢の1つとして選べるようになって欲しいと思っています。寝たきりの方でも目で訴えてくれるものがあるんです。それを僕たちが読み取って、介護をします。
-なるほど!確かに、家で暮らしたいという方は多いと思います。
しかも、在宅で介護を受ける方が、介護を受けられる時間も多いんですよ。訪問介護では、訪問時間の間はご利用者のためだけに使いますから。施設での介護になると、1人のスタッフが複数を見ることになるので、ご利用者1人ひとりに対応する時間はどうしても限られてきますからね・・。
-ちなみに、介護の仕事は死と向き合うことがあると思うのですが、つらくないですか?
確かに、その時は本当に辛いですし乗り越えなきゃいけない。でも、僕らの働きかけによって、その人が少しでも幸せな気持ちで日々を送ってもらえるようにと、誠心誠意接していたら、できる限りのことはしてあげられたという思いになりますね。そして、亡くなったときの辛さも何とか乗り越えられる。その人が最後に出会うのが僕らかもしれないから、生きている間にどれだけのことをしてあげられるか、ということは真剣に考えます。
-あの、話がすごく変わるんですけど、ここの事業所に制服ってあるんですか?今、着てらっしゃる服が、介護をしてらっしゃる方の服装っぽくないので・・・
制服は一応あります(笑)けど、あなたがイメージしてる制服とは少し違うかも!僕たちは、普段の生活をお手伝いしてるので、介護をしている感じを出したくないと思ってるんです!あと、自分もジャージとかあんまり着たくないし(笑)コードブルーのようなカッコいい制服なんていいなあって思っていますよ(笑)。
-なるほど、とても素敵な取組みだと思います!
イイカイゴさんは、これからもお客さん目線の訪問介護を行っていくために様々な進化を遂げていきそうです。今回は、インタビューのご協力ありがとうございました!
★インタビューを終えて...
今まで私は、介護=辛い・大変というイメージしかありませんでした。しかし、このインタビューを通して、そのイメージが変わりました。介護の仕事は、普通に日常生活を送るためのお手伝いをしていて、家族に対してしてあげることをお客さんにすることであって苦に思うような仕事ではない、ということが分かったからです。また、イイカイゴの池下さんは、介護の仕事について「手間を手間だと思わない。」とおっしゃっていました。これは、その仕事にとてもやりがいを感じているから言えることだと思います。私も、そんなふうに感じられるような仕事に出会いたいです。 (鹿児島大学 農学部 松原萌)
・プロフィール
池下 博紀さん
1979年生まれ。香川県高松市出身。
アパレルの仕事を4年、その後介護会社で様々な形態の介護を経験した上で、平成25年8月イイカイゴ設立。
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