インタビュー

こだわりを語り始めたら、話が尽きることはない


アイル・パートナーズ株式会社

取締役・営業本部長 安部圭太 さん

2016年11月1日(火)

アイル・パートナーズ株式会社は、1994年に設立された、セブンイレブン店舗の開発・運営を行っている会社。本社を香川県に置き、現在、香川・徳島・愛媛で109店のセブンイレブン運営をしています。今回は、取締役・営業本部長の安部圭太さんにインタビューさせていただきました。



Q:多くのコンビニエンスストアがある中で、セブンイレブンの特徴は何ですか?
- 確かに店舗数でいうとコンビニは香川県内でも430店あるんですよ。数で言うと多いんですけど、その中で、セブンイレブンの特徴は?とよく言われるんです。でも、実はコンビニ業界はセブンイレブンを含む上位3社で85%強を占める寡占状態になっているんです!もっと言えば、四国全体では3社で約95%を占めます。なので、店舗数としては多く存在しますがチェーンの数としてはそんなに多くないんですよ。


各チェーンの違いを表せられるのは、商品とサービスです!その中でセブンが圧倒的に差別化できているのはやはり商品でしょうね。3年前まではサンクスというチェーンをやってました。そして、セブンイレブンの四国参入と同時に入れ替わったんです。前のチェーンと比べても、商品へのこだわりが圧倒的に違いますね!同じ業界とは言えないくらいに・・。

 

例えば、一般的に赤飯はもち米と小豆を炊飯器で炊いて作ることが多いと思いますが、セブンは、蒸篭(せいろ)蒸しといって本来の作り方で作っていて、調理法にまでこだわっているんです!だから、商品のレベルが圧倒的に違うんです。カット野菜についてもそうです。いろんな殺菌方法があるんですが、一般的には鮮度を長く持たせるためにアルコール殺菌が主流なんです。でも、セブンは海洋深層水の真水殺菌処理をしています。子育て世代の人達には、そういう部分をPRしています。合理化やコストなど、売り手の都合をお客様に強いらないのがセブンイレブンなんです!!

 

ポイントカードも違いますよ!プリペイド方式のカードで支払いのたびにポイントが貯まります。貯まったポイントは1pt=1円でお買い物ができます。実際、ナナコのカード利用者は香川県では2割に達しているんですよ!5人に1人はナナコで支払っていて、全国の平均よりも高いんです。

 

Q:商品の仕入れや並べ方など、店舗ごとに工夫していることはありますか?
- これが一番の肝ですね。工場の近く、住宅街の中、大学の中など、どこに位置するのかによって、品揃えは店舗ごとに変えています!立地特性で客層に合わせて商品の仕入れを変えていて、マニュアルが無いので全てお店の人が考えています。陳列のガイド表は棚毎にはありますが、単品毎には無いんです。コンビニの商品アイテムには約3,000~4,000アイテムと言われているんですけど、セブンイレブンには約5,000アイテムの登録があると思います。その中の約1,000アイテムくらいは立地に応じて各店舗の判断で置くようにしています。

 

Q:時間帯による業務内容の違いはありますか?
- 時間帯は、大きく分けて、日中と深夜の二つです。店舗ごとに違いはありますが、だいたい売上の80%~90%は日中にあります。売れる商品は時間帯によって変わっていくのですが、お店の業務は基本的にはあまり変わらないですね。ただ、深夜は翌日の開店準備的な作業が多くあって、商品の搬入も深夜にあります。そういう意味では、深夜のアルバイトは作業的な部分が多いですかね。

 

Q:業務内容が大変なイメージがありますが、実際はどうですか?働きやすくする工夫や仕組みはありますか?
- 大変というのは、大変さの定義に依りますかね・・。例えば、業務に関しては、全てパッケージ化されているので、仕事の効率化はかなり進んでいると思います。ただ、業務の合理化は答えが無くて、いくらでもできるんですよね。セブンイレブンジャパンとも協議を繰り返してはいるのですが、香川県全体で労働者が不足しているんですね。その中で人を増やすという考えはもちろんですが、絶対数が不足している状況ではオペレーションを減らすという考え方もあります。例えば、セブンカフェは自販機でもいいんじゃないか?とか。レジはセルフレジでもいいんじゃないか?とか、できるできないは関係なく常に合理化できるところを真剣に協議してますね。少ない人数でどう廻していって、お客様の満足をどう得ていくのかというのが大事ですね。普段の当たり前のことを違う目線で捉えていって、どんどん合理化していくのは大事だと思います。
また、一方で、いかに商品を売り込むのかというクリエイティブな大変さは求められますね。ポップなんかは各店で自由に作れるんですよ。お店の商品をどのように伝えて、どう売るかといった部分は難しい部分かもしれないですね。

 

Q:接客をする中で大変なことは何ですか?
- 僕らが気を付けていることは、ディズニーランドの発想で、100かゼロの発想です。例えば、ある店舗のスタッフの接客について、どんなに多くのお客様が良いと感じていたとしても、たった1人でも不愉快に感じるお客様がいたとしたら、どうでしょうか?僕らは、それは0点と一緒だと思っています。一人ひとりのお客様に満足してもらえるような接客が必要ですね。常にオンリー1の精神です。

 

Q:コンビニエンスストアで働くことで、どのようなことが得られますか?
- コンビニの店長は立派な経営者だと思います。1店舗の運営を全て任せているんですよ!もし、今後独立したいというのであれば、人・モノ・金という総合的なマネジメントも含めて経営の勉強になると思います。アルバイトの方も、国内でも圧倒的な売上を誇るのはなぜか?ということを考えながら働いたら面白いと思いますよ!マーケティングのヒントにもなると思います。
僕らは、変化対応を徹底的に教えられています!それが僕ら的には面白いんですね。自分で先々の変化を捉え、仕掛けた商品を置いてみて(例えば、雨が降ったら傘を置こうとか)、それが売れたらお客様の需要に合致したということなので、その場で結果がでるんです。そういうスピード感でPDCAを日々廻すことができるのがコンビニの面白さですね!

 

Q:大学生がアルバイトをする際に求められるものは何ですか?
- 基本的に無いんですけどね(笑)。しいて言えばコミュニケーションだけですかね。人と話をするのが嫌だとか寡黙にコツコツしたいという人には向いていないと思います。ただ、体力は必要ですね!あとは元気と笑顔があれば、アルバイトはできますね。大学生のアルバイトに限らず社員になってもこれらがあれば学力に関係なくできると思いますね!

 

【プロフィール】
安部圭太さん
香川県高松市出身。アイル・パートナーズ株式会社で取締役・営業本部長としてセブンイレブンの運営・開発を管理している。趣味はゴルフ。

 

インタビュアー:
香川大学 法学部  森本勇都
香川大学 法学部  田中真名
香川大学 経済学部 酒井美月