インタビュー

300年程前から女性に代々引き継がれる仕事「ぎょうせん飴作り」


三原飴店

三原 紀子さん

2018年6月4日

今回、お話をお伺いしたのは・・・・「三原飴店」の三原紀子さん

麦芽ともち米と水のみで作られた自然食品のぎょうせん飴。じっくり時間をかけて手作りで
丹精に作る手法は約300年前から守られており、天然素材のみを使うこだわりも保守している。
香川県内でぎょうせん飴を作っているのが、三木町にある「三原飴店」。

今の店主は9代目に当たる。しかも、ぎょうせん飴を引き継いできたのは代々女性なのだそう!
そこで、ぎょうせん飴の9代目として活躍している三原紀子さんにお話を伺ってみました。

Q.ぎょうせん飴の名前の由来は何ですか?
- ぎょうせん飴は、もともと地黄(じおう)という漢方薬を煎じたものを混ぜて作られていたそうです。
そこで、「地黄を煎じた飴」が「じおうせんじたあめ」→「じおうせんあめ」→「ぎょうせんあめ」という
風に訛ってぎょうせん飴になったのではないか?と聞いています。

Q.三原ぎょうせん飴の起源は何ですか?
- 麦芽水飴は、元々、砂糖が出回る前に甘味として家庭で作られていたそうですよ。
三原家で作られるようになったのは、約300年前に、丸亀藩の足軽として務めていた先祖が阿波
の国でぎょうせん飴の製法を学び、三木町に移り住んだ頃だと聞いています。

その先祖が三木町で農業をするかたわら、現金収入の手段として嫁がぎょうせん飴を作るように
なったのが始まりだそうです。

Q.ぎょうせん飴の原材料は何ですか?
- もち米と小麦の麦芽、水だけで作っています。

Q.もち米と小麦の麦芽、水だけの原材料で、どうやって甘くなるのですか?   
- 小麦の種子の中に不活性の糖化酵素(アミラーゼ)がたくさん含まれていて、種子が発芽する
ことによって糖化酵素が活性化するんです。

そこで、発芽した麦芽をもち米と水に加えることによって、澱粉質が糖化されて麦芽糖ができ、
甘くなるんです。

Q.お米ではなくもち米を使う理由は?   
- もち米を使った方が飴のコクが強く、色も濃いんです。味わいが全然違うんですよ。もち米は
お米より倍の値段するのですが、その分、ぎょうせん飴の付加価値も美味しさも高まるので
もち米を使っています。

Q.女性がぎょうせん飴作りを引き継いでいる理由は何かあるのですか?
- ぎょうせん飴は副業としての現金収入の手段として扱われてきたからなんです。
代々、田畑仕事の副業として嫁がぎょうせん飴を作ってきたようです。
ぎょうせん飴作りは、姑から嫁へと直伝で受継がれているんです。

Q.ぎょうせん飴作りに携わって何か感じることはありますか?
- ぎょうせん飴は、冬でも朝6時から始まるきつい仕事です。でも、ぎょうせん飴は、天然のもの
だけを使った手作りの飴で、喉や産前産後の女性に良いと昔から親しまれています。

母乳の出がよくなると出産祝いに使われたり、咳どめやぜんそくなどにも重宝されています。
飴を食べていただくことで、喜んでいただけることが励みになりますね。

 

Q.ぎょうせん飴づくりで難しいのはどんな部分ですか?
- 麦芽作りですね。麦芽がぎょうせん飴づくりに大事な役割を担うのですが、難しいのです。
しかも、麦芽づくりは冬の間にしかできないので、年に1度しかチャンスが無いのです。
麦芽作りは、小麦を水に浸した後、木箱の中に入れて発芽させるのですが、気温や気候に
よって発芽の具合が大きく変わってくるのです。

しかも、木箱を6段に重ねてムシロで覆うので中が見えないのです。芽が出過ぎても出が
悪くてもダメで、発芽をどのタイミングで止めるのか、その案配が難しいですね。
自信を持って一人で麦芽を作れるようになるまでに5年程はかかったように思います。

Q.ぎょうせん飴をどのような思いで作っていますか?
- 天然のものだけを時間をかけて手作りで作っているぎょうせん飴のファンになり、味わい
続けてくれる人がいるというのが心からうれしく思います。

そのため、今までこだわってきた素材と手作りは今後も大切にしていきたいと思っています。
そして、昔から伝わっているものを次の世代にも受け継いでいきたいと思っています。

【Profile】
三原 紀子さん
広島県因島出身。8代目の義母よりぎょうせん飴の製法を
受け継ぎ、昭和六十年頃より「ぎょうせん飴」を作り続ける。
9代目。

 

【三原飴店】
香川県木田郡三木町大字池戸3746-2
TEL:(087)-898-1377
定休日/毎週木曜日
http://gyousename.com/