インタビュー

海外で働いていたからこそ気づかされたことを活かしたい


株式会社しごとマルシェ

飯原 美保さん

2017年12月8日(金)

「顔の見える会社にしたい」そんな思いから生まれた、『しごとマルシェ』で働く人をインタビューシリーズ!今回は、『しごとマルシェ』で営業や採用など様々なことを担当している、飯原さんにインタビューしました。

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以前は国際協力の仕事をしていました。

 

-どうして『しごとマルシェ』で働こうと思ったのですか?
長くなりますよ・・・(笑)
私は、もともとは国際協力の仕事をしてたんです。

『世界の村で発見!こんなところに日本人』という番組があるじゃないですか?大げさではなく、本当にそんな所に赴任していました!地域開発の分野を主に担っていたので、電気やガス、水道が無い所での赴任がほとんどでしたよ(苦笑)ネパール、ベトナム、インドネシア、ガーナには1年以上滞在していました。

- 今の仕事と一見関係が無いように思うのですが・・・。
でしょ?そう思うでしょ(笑)それがあるんですよ!

途上国で地域開発の仕事をしながら、実感したことがあるんです。

 

それは、優秀な人材が海外に流出してしまう『頭脳流出』です。国内では十分な収入を得ることができないし、仕事も無いといった状況なので、有能な人達はアメリカやイギリス、中東といった国に出稼ぎに行って、帰って来ないといった現状を目の当たりにしたのです。しかも、その国では有能な人たちなのに、出稼ぎ先ではバイトのような仕事しかできていないということも・・・。

 

10年程、途上国で働きながら、「あれ?日本でも同じ問題が起きている?」ということに気づき始めたんですよ。その当時は、日本でも夕張市が破産したりして、地方自治体が機能できないような時代になったことが浮き彫りになっていました。その時に、私は日本人なのに母国である日本のため、そして故郷のために何もできない状態で果たしていいのだろうか・・・と思うようになったんです。

 

そして、香川に帰省していた時に、『求人タイムス社』の社長である父が「香川でも若い人たちがどんどん流出している。人が残ってくれる地域でありたい。そのためにもっと求人の情報だけでなく、地域の情報を発信していきたい。」と言っていた言葉が心に響いたのです。

 

香川に戻ってきて、地元香川を盛り上げる取り組みができるのでは・・・?と思うようになりました。それで7年前に『求人タイムス社』に入社したんです。この4月からウェブ部門は分離独立して、「株式会社しごとマルシェ」の所属になりましたが。


-この会社に入るまで長い歴史があったんですね。飯原さんは、『しごとマルシェ』でどういったお仕事を担当されているんですか?
肩書は専務取締役ですが、主に営業で走り回ってますね。


-飯原さんが営業をする上で大切にしていることは何ですか?
求人を求めている会社から、いかにその会社の良さ・魅力、そして、仕事のやりがいといった部分を聞き出して、それを伝わりやすいように表現することですね。

 

私から見たら、「こんな所がステキだなあ」「これは面白そう」とか、それぞれの会社・仕事にはそれぞれの魅力があるんです。

でも、そこに気づいていないことが多いように感じます。

 

国際協力をしていた時に、気づいたことがあるんです。それは、その土地で暮らしている人たちが、自分たちのリソース(資源)は何なのかをきちんと把握し、その資源をうまく使って取り組まないと持続可能な発展はないということ。

 

会社も同じなんです。自社や仕事の魅力を把握し、それをしっかり伝えていく必要があるんです。その部分をどう伝えていくかによって、反響も変わってきますから。

 

中小企業の多くは、なかなか自社の情報発信に時間やエネルギーを割けないので、求人広告を取り扱う私自身が第三者の立場からその部分を把握し、求職者に伝わるような情報発信を大事にしています。

 

-どのようにして、魅力や良さを引き出していくんですか?
まずは、ホームページをチェックしますね。そして、会社を訪問した時に、社内の雰囲気で感じることや聞いてみたいと思ったことを担当者にぶつけて、できる限り聞き出せるよう努力をします。

 
数字は後からついてくるもの

-営業のお仕事をしていて、辛いなと思う時はありますか?
応募がなかったときですね。応募がないと、自分の力不足をすごく感じるので、本当につらいです。

 

-逆にこのお仕事をしていて良かったなぁ、と思うのはどんな時ですか?
自分が作った求人広告で応募があり、採用になった時ですね。自分が求人情報の発信を通して、「転職」という人生にとって大事な岐路に関与できたということが、とてもうれしく思います。

 

また、企業の成長にとって、ヒト・モノ・お金のうち、ヒトが1番大切だと思うので、会社が求める人の採用に貢献できたというのは、言葉で表現できないくらいのやりがいを感じます。

 

おこがましいかもしれませんが、ヒトと企業を繋ぐ仕事を通して、地域の発展にも微力ながら協力できたのではと思いますしね。

 

あと、営業に行くと普段聞けないような仕事観・人生観を聞かせて頂くことがあるんです。そういう話は、自分の人生にとってもすごく役立つものが多くて、お聞きすることができてありがたいなあって思います!

 

-なるほどですね。私のイメージでは、営業というと目標が達成できたかどうかが気になる仕事だと思うんですけど、そういったことは気にならないんですか?
数字は後からついてくるものだと思っています。

企業のお役に立てるような仕事をしていれば、受注先の企業さんが別の企業さんに紹介してくれたり、掲載が終わった企業さんが再度求人が必要になったとき、またお願いをして下さったりするんです!


-そうなんですね。飯原さんの今後の目標を教えて下さい!
香川県にこんな企業があるということをもっと全国の人に知ってもらって、香川にもっともっと人が集まるようにしていければと思っています。そのためにも、もっと情報発信力をつけて、香川でこんな仕事ができる、こんな働き方ができる、こんな暮らし方がある、ということを県外そして海外の人たちにも知ってもらいたいです。


-なるほどですね。香川で暮らすことの魅力はどこにあると思いますか?
こじんまりとしているので、人とつながりやすいと思います。

 

私自身、7年前に香川に戻ってきたとき、高松には知り合いが1人もいなかったんです・・・。

 

とても不安だったんですけど、地域のWS・勉強会があることを知って参加してみると、どんどん知り合いや友達が増えていきました。香川には人を受け入れてくれる気質があるような気がします。


-それは分かるような気がします!
今後の『しごとマルシェ』の進化が楽しみです。これからも『しごとマルシェ』のサイトをこまめにチェックしていきたいと思いました。

ご協力ありがとうございました!

   
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・インタビューを終えて・・・
インタビューを通して、“数字はあとからついてくるもの”というお話が印象的でした。
営業は、受注先をどれだけ多く取ってくるかが大切だろう、と思っていました。でも、お話を聞いて、受注先との丁寧なやり取りを通してお役に立てるように働くことが大切であると思いました。同時に、そこが営業の根底にあると、受注先の方とも信頼関係が築けていくのかなぁ、と感じました。

(鹿児島大学 農学部/松原 萌)